ゲンジボタル(ホタル科)
体 長 12〜18mm
分 布 本州、四国、九州、対馬
生息場所 水辺
出現期(成虫) 7〜8月

タルは、古くから初夏の風物詩として親しまれているが、なかでもゲンジボタルが一番大きく光も明るい。この光はメスとめぐり合うための合図で、お互いに相手をまちがえないように、種によって光の色がちがっているだけでなく、光が点滅するパターンもちがっている。


ゲンジボタルの交尾
滅の間隔は同じゲンジボタルでもちがっていて、東日本では4秒に1回、西日本では2秒に1回、東西の境界あたりでは3秒に1回光ることが知られている。また、それぞれがばらばらに光るのではなく、いっせいに同調して光るが、ゲンジボタルの名所では何千何万というホタルが川面に群がり、光の塊となって空中を飛び廻る光景が見られる。飛んで発光するのはオスで、メスは地上からそれにこたえるように発光する。

近は、とくに都市近郊でゲンジボタルがすっかり減ってしまったが、それは、幼虫のすむ清流がよごれてきたり水辺の環境が大きく変わってしまったことが原因のようだ。

スは川岸の苔(こけ)などに500個あまりの卵を産みつける。約一カ月後、ふ化した幼虫は水中に入ってカワニナという巻き貝を食べて育つ。翌春、大きくなった幼虫はふたたび川岸にはい上がり、土の中にもぐってサナギになる。成虫の寿命は約2週間、その間わずかに水分をとるだけで何も食べない。