食品加工に働く主な微生物 地球上には様々な微生物が存在しているが、多くは房異な単細胞からなるもので、顕微鏡を使って観察することができる。 これらの微生物は、土壌、河川、海洋、大気などに広く生息し、中には、石油、高温の温泉、生体内といった特殊な場にのみ特異的に生息する変わり者もいる。 微生物は色々な物質を摂取し、代謝しているが、微生物のこれらの特性を食品加工に利用することができる。 それでは、この中から食品の加工に用いられる主な微生物を紹介しましょう。 |
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微生物の分類表 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●黴 糸状の菌糸の集合した菌糸体と胞子を着生する子実体によりなる。成長したものは肉眼でも本体を確認できる。ケカビ、クモノスカビ、ベニコウジカビ、アカパンカビ、コウジカビ、アオカビ等がある。もっともポピュラーな働きは澱粉の糖化である。食べ物ではないが医薬(とくに抗生物質)の生産にもなかなかの働きをしている。日本で麹製造に用いられる通称「コウジカビ」は、アスペルギルス属の黴である。
●酵母
●バクテリア
微生物は、人間に有益な種々の発酵産物を造ってくれるが、有害な腐敗現象も微生物の仕業である。しかし、人間に有益な働きをする微生物は、人間に有害な働きをして食物を腐敗させる有害微生物からの攻勢から、大事な食物が腐敗しないように守る働きもしてくれる。有益菌の濃厚液に浸したり、濃厚な発酵産物で包み込むことによって、腐敗を防いで日持ちの良い、そして風味を増した保存食を得ることができる。
野菜、魚、肉等を、漬け物や粕漬けにしたり、味噌漬け、溜まり漬け、酒漬けにするなど、微生物の働きを利用した食物の保存性の向上と優れた風味づけは各地で行われており、独特の風味を持つくさやは、濃厚な有効菌液に魚を漬けて得られる優れた保存食である。 |