IT Trend 2000 ソウダヒロシのITトレンド2000
このブログは、2000年から2003年の間にメールマガジンとしてMLに送付したもののアーカイブです。
2010年3月7日日曜日
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2009年6月21日日曜日
vol.99 「驚いた」
昨日、2003年8月9日は忘れられない日になりそうだ。台風10号も凄かったが、もっと凄いことが身近で起こったからだ。
P社のFさんとはもう3年越しのおつきあいになる。デジタルハリウッドの講師として大阪でN社の講座を持ったときの受講生の一人、Wさんから紹介された。
リコメンドシステムをリナックスベースで開発している人がいる。データベースはオブジェクト系を採用。プロローグで書いたプログラムにリコメンドエンジンを搭載して・・・・、とチンプンカンプンの説明をWさんから聞いたか聞かなかったか。
早速本拠地まで行ってお会いした。倉庫のような事務所の片隅にそのシステムはあった。何とこのシステム、たったの7人で開発運営し、年間70億の商品をウェブサイトで販売していると聞いて驚いた。
翌年にはこのシステムが、日経コンピュータ主催の第6回情報システム大賞グランプリを受賞。上京講演があるというので会った。これが2回目。
ちょうどその頃、音声認識エンジンのベンチャー企業にいて、Web3Dに音声認識エンジンと音声合成エンジンを搭載したエージェントに興味を持っていたことから、バックエンドにIAが必要なことに気が付いていたので大変興味深くFさんのお話を聞いた。
そして今年の2月、N社のビッグサイトでのショーでまた講演され、今度は日本初、世界で3つ目のダイアローグエンジンをサイトに搭載するという話だった。実験版が現在公開されており、いよいよこれを本格的に販売していこうかという話をこのときし、その後、デジタルハリウッドの深野さん、Fさん、音声認識エンジン会社の阪部さん、ネメシスの吉田さんらとWeb3DCIA projectを結成したが、みんな忙しさにかまけ、暑さにかまけていた。
そこへ久々に、Fさんからのメイル。ITセレクトという本で西和彦さんと対談したので読んでおいてください。というので早速購入して読んでみると、どうやら意気投合した様子。何とお二人はごくごくご近所のお生まれとか。少しして、またFさんから上京のお知らせ。MSに西さんがプレゼンすることになりました・・・。
で、昨日。新宿パークハイアットでのプレゼンを終えた後、ダイアローグエンジンの開発者バルテンシュタインさんと3人で顔を合わせ、アメリカ本社に向けての策と、本格展開のアイデアを出し合った。
台風の真只中、これまた台風のようなミーティングであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この話、結局頓挫してしまったようだが、上記の中に出て来るFさんはリンクアドシステム特許共同発明者であり、深野さんはプロジェクトメンバーである。さらに、これに興味を持ったTさんはFさんに会いにはるばるFさんの会社まで行っているのだ。
ITトレンド2000はこれで終わりである。
しかし、リンクアド・プロジェクトとは、10年前からの人間関係の中で生まれるべくして生まれたプロジェクトだったのだ・・・・。
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2009年6月13日土曜日
vol.98 「何とも面妖な・・・」
ご存じでしたか?中小企業支援法って。
何と今月1日から施行された法律なんです。何と1円で会社が作れるんです。
現在、有限会社は300万円、株式会社は1000万円の最低資本金が必要です。しかし、不景気のせいでこれが足枷となって起業家の意欲をそいでいる、という認識からできたということです。
しかし・・・。確か、先の最低資本金というのは、ちっぽけな資本金でやってる会社は潰してしまえという論理でできたはず。つまりは、赤字会社=法人税を払えない会社は社会的存在理由なんかな~~い!という論理で施行されたはずです。
で、手のひらを返したように、どこかのベンダーの入札額のような1円資本金ですか? 少子化対策のように、いきなり厚い保護政策を今さら打ち出しても手遅れなのと同じように、これ、遅過ぎやしませんか?
なぜって、会社ってのは、利潤追求のために設立されるわけで、利潤追求するためにはそこにビジネスが存在するわけで、ビジネスをやろうかという人には信用があるわけで、信用があるから仕事がくるわけで、仕事がくるからビジネスになって、ビジネスになるから、金が動くわけで、金が動くから人が動くわけで、人が動くから物が動くわけです。
そうするとビッグビジネスになってきて、「会社」にせざるを得なくなる・・・・。これが真っ当な商売というものじゃないんですか?
しかるに、会社を先に作ってしまってからビジネスを始めるというのがあるのでしょうか?もちろん、そこに儲け口があれば問題はありませんが・・・。
箱を作るのは作っても中身がないじゃ話にならない。今どき名刺に○○株式会社社長って書いたくらいで仕事がくるとも思えませんし、飲み屋の付けにも使えないんじゃないでしょうか?
<関連記事> 「1円で会社設立可能に=中小企業支援法施行」(時事通信)
株式会社や有限会社の設立に必要な資本金の最低額規制の適用を5年間免除する「中小企業挑戦支援法」が1日、施行された。資本金1円でも会社がつくれるため、学生や主婦、民間非営利団体(NPO)などに起業・創業ブームが起きることも考えられる。
商法が定める最低資本金は、株式会社で1000万円、有限会社で300万円。新法では会社設立から5年間、この規制の免除を認める。5年後までに資本金規制を満たせない場合には、合名会社などへの組織変更や会社解散を義務付けている。
政府は産業活性化や雇用創出の起爆剤として、起業・創業の拡大を期待。会社設立数は現在、年間18万件程度だが、新法効果で倍増を目指す。
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2009年5月29日金曜日
vol.97 「a,b,g」
今年一番気になるテーマは無線LANの規格。
これからどうなるのか?そんな疑問に応えて実に明解にまとめてあるのが以下のサイト。うん、納得の結論です。
http://www.zdnet.co.jp/broadband/0301/24/lp15.html(当時の記事にはリンクしていません)
それだけじゃー、このMLのレーゾン・デートルが問われるので、少しだけ。結論からいうと、様子見しなくて済むのは「b」だということなんですよね?業界さん、ということ。
今までは「b」だ「b」だでここまで引っ張ってきたのに、「g」だと言われてもねー。その前には、いや「a」だという話で様子見してましたけれど、今回は「g」だとおっしゃるので、何とも決めにくいという背景があるわけです。
これが決まらないと、デバイスも決まらないわけですから、お願いしますよね、ということである。
もう一つ面白いのが、これ。
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/23/nj00_sotec_gundam.html(当時の記事にはリンクしていません)
こういう新商品発表会というのはケレン味たっぷりで大好きですね。今やIT業界は学者然とした経営者が幅を利かせる中で、こういう寅さんのような物売り、感動します。
また事実、こういったニーズは厳然としてあるわけですから、期待できると思います。買い替え需要にピッタリでしょうね。わたしもこれにしようかしらん?
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2009年5月24日日曜日
vol.96 「yahooメールの怪」
yahooメールというのがある。hot mailみたいなものである。只で使える。只で使えるのをいいことに、迷惑メールの送信元や停止連絡先に使われていることも多い。
混乱するのは、yahoo.co.jpのドメインは会員もまた使用している(別途ybb.ne.jpも使用できるが)し、会員情報連絡メイルもこのドメインで送られてくる。さらに、このメール、ウェブメールなので、わざわざウェブまで取りにいかなければならない。
面倒なので、わたしの連絡先アドレスに送ってくれるように依頼したのだが・・・・。今回はダイジェスト版で。
最終確認(4回目)
以下、3回目の問い合わせに関する御社からの回答です。
>この度お客様よりいただきました情報ですが、お客様の状況を確認させていただきましたところ、連絡先E-mailアドレスは にてご登録されております。
当然です。3度もそのアドレスに「のみ」送ってくれと申しております。
>連絡先E-mailアドレスへのご連絡が不可能になった場合は、(Yahoo! JAPANID)@yahoo.co.jp等のアドレスへご連絡させていただく場合もございますので、ご了承下さい。
yahoo.co.jpに「のみ」送られるものがあるので、登録先にも送ってくれと3度も申しております。
>また、ご連絡はメールにて行なっておりますが、Yahoo!BB連絡先メールアドレス宛
ではなく、Yahoo!JAPAN IDに登録して頂いているメールアドレスへ行なっておりますので、MY Yahoo!にてYahoo!JAPAN IDの登録情報をご確認ください。
ここへきて、また、yahoo.co.jp「のみ」にしか送らない、というわけですね。3回お願いしても結果、ダメということですから仕方ないのでわたしのメーラーにyahooアカウントを設定してこちらで取るようにしました。
以下、問い合わせごとの御社の回答です。
1回目:申し訳ない、気をつけます→連絡先アドレスのみに送信しますと受け取れる。
2回目:yahoo.co.jpにも連絡先にも「同時に」送っています→そういうことはしていない
3回目:yahoo.co.jp「のみ」に送る場合もある→つまりyahooウェブメールを取りにいかなければならない、ということ
上記のように、御社からの回答は2転3転をくり返し、全く要領をえません。これではこちらが混乱するばかりです。
こちらの要望である、「御社からのメールは全て登録アドレスのみに送信してくれ」という要望はきけない、ということならば、最初からそう言っていただきたいものです。
以下、模範回答例:
「残念ながら御希望にそえませんので、新たにyahooメール用アカウントを設定してください」
これで解決しています。無駄な時間を費やすこともないですよね。
ったく。この連中のeコミュニケーション能力、もうちょっと鍛えてもらいたいものである。
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2009年4月4日土曜日
vol.95 「迷惑メール」
来ますねー、最近。「未承諾云々」というやつ。
ウイルスの方がまだ許せる。というわけでもないのだが、こいつはしつこいだけで、一体何がしたいのかさっぱり分からない。リンクを辿っても注文もできないし、送信先に送り返せば、存在しないアドレスだし、指定のアドレスに「不要」の旨送ってもまったく解除されることもない。
おまけに、送信元を毎回変えるという念の入れよう。で、君は何がしたいんだ?送られた方が、やっきになって削除するのが楽しいのだろうか?
こういうメールは、迷惑メールリストに放り込んでしまわれるので、送っても意味がないと思うのだが・・・。不思議な行為である。
先日、あんまり腹がたつのでルール作成で、来ないようにしたつもりだったのだが、どう間違ったのか、私自身宛のメールはサーバから削除される設定になっていたらしくて、数日間メールが来なくてせいせいしていたのだが、他のメールも来なくて変だな、と気付いた次第。(こうゆう設定が存在してることにも腹がたったが、秘密を守ろうとすると、送ったメールも来たメールもサーバから削除してしまうことも必要なのかもしれない。
こうなると、いきおい、社内メールはすべてPGPかなんかで暗号化して通信されることになるのだろうか?(もうなってる?)
さて、こういう迷惑メール、チラシのようなものならまだ可愛いのだが、意図を持って1日100回とか送りつけられると、これはもう、迷惑どころではない。仕事にならない。無気味ですらある。
せめて、存在するメルアドかどうか確認してからサーバが受け取る、というようなことをしてもらいたいものであるが、どうなんだろう?
ウェブのそこら中にメルアドはばらまかれているわけで、いたずらをしようと思えばいくらでも出来る。それだからといって非公開で書き込みをしている人も多いと思うが、わたしはこれはフェアではないと思う。
言い返されない立場を確保して発言するというのは、発言する資格がないと思う。物陰から石を投げるような行為である。
いつでも連絡できる便利なツールの良さを抛擲しないためには、堂々と物をいい、ルール違反者は厳しく追及すべきだと思う。
てなリベラルな時代は終わり、いよいよ、ネットが開かれたツールになってきた今日この頃ですが、皆さんはどうやってセキュリティを守ってますか?
2005年も良い年でありますように!
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2009年3月8日日曜日
Vol.94 「ノーベル賞受賞の田中さん」
拉致問題と同等の頻度でメディアをにぎわしているのが田中耕一さん。受賞理由は、「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」であり、生体高分子の質量分析法のための「脱離イオン化法」の開発を評価され、日本人で12人目の受賞者となった。
彼のユニークなところは2つある。
1つ目は会社の昇進制度に興味を持たなかったこと。
2つ目は、これが受賞理由になるのだが、実験中に試薬を間違ったこと。
1つ目の面白さは、同僚が昇進していく中で、ひとり研究室に残り、自分の好きな研究に没頭していたということで、本人自身、「好きな研究ができて給料が貰えるなんてありがたい」と語っている。
企業の中で生き残っていくためには昇進して給料を上げていくことが良しとされ、スペシャリストからジェネラリストへの転身をせまられる。そして、これに乗れなかったものは脱落者とみなされる。
これを拒否し、受賞後も、会社側からの役員への昇級のオファーを断り、係長のままい続けることを希望していた。 結果、生涯一エンジニアでい続けたい、という希望は聞き届けられることになったが、会社側が彼の功績に報いるためには、フェローというポジションが必要だったわけで、 役職=高給=出世という図式では、世界の頂点に挑むような研究はできないということを暗に示している。
2つ目は、あらゆる実験中によくあることなのだろうが、この間違いを観察することから、ヒントを得て正しい結果を導いていったところが他の研究者とは違うところである。これを、Serendipity(偶然を見のがさないこと、最近の映画のタイトルにも なっているが)というが、これが第1級の研究者には備わっているものらしい。
さて、この話、近年の儲け主義に走るだけのe-bizの世界の対極をなすような話だが、インターネット黎明期の発想に一度戻って、CSとは何なのかという原点を確認してみることが必要なのではないだろうか。
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